ウィリアムズ症候群の芸能人まとめ

優しすぎる病気」と呼ばれるウィリアムズ症候群。

先天性の遺伝子疾患であり、染色体の異常で起こってしまう病気で、7番目の染色体に欠失があることが具体的な原因とされています。

ウィリアムズ症候群の特徴としては、以下です。

  • 精神発達の遅れ・成長障害がある
  • 視覚性認知障害
  • 心臓の大動脈弁上狭窄
  • 泌尿器疾患(頻尿など)

などが挙げられており、多くの患者が生涯的に医療や社会的なサポートが必要とされています。

そしてウィリアムズ症候群に対する治療法は今のところありません。

そのため、ウィリアムズ症候群が原因で悪化する疾患はその都度治療していくしかなく、ウィリアムズ症候群を根本的に治療することはできないと言われています。

 

日本では2万人に1人の割合でウィリアムズ症候群になるとされていますが、この病気が原因で早く亡くなったりすることはありません。

しかし、ウィリアムズ症候群の特徴である心疾患などが原因で、脳卒中や心筋梗塞が起きる可能性は高くなってくるので、やはり一般の人に比べると生死に関わるリスクは多くあります。

 

内面の特徴としては、

  • 知らない人にも臆することなく話しかける
  • 自閉症とは正反対で人懐っこい
  • 他人の気持ちに共感しやすい
  • 病的に音楽を好む

などが挙げられ、社交的で陽気な性格あることがわかります。

 

そのため、人との距離感が近かったり、誰とも壁を作らないことから、環境によっては社会に溶け込める場合もあれば、逆にトラブルに巻き込まれてしまうことも多いと言われています。

トラブルの具体例としては、「虐められていることに気づかずに受け入れてしまう」「人を疑う気持ちを持っていないので、詐欺の話などを信じて被害に合う」などが挙げられており、一般の人に比べて状況を判断する能力に乏しいこともわかります。

 

また、ウィリアムズ症候群の患者の容姿は「妖精のような顔立ち」とも言われており、具体的には、以下の特徴が挙げられます。

  • 大きくてクリクリした目
  • 上向きな鼻
  • 小さな顎
  • 大きな歯
  • 背が低い

 

そのような特徴から、ウィリアムズ症候群の患者はゲルマン神話に出てくる「エルフ」に例えられることが多く、優しそうな雰囲気を持つ見た目や表情をしています。

 

ウィリアムズ症候群は難病の一つで、日常生活に支障がある場面も多いと思われますが、職種によっては普通に働いている人や、音楽性に富んでいるためミュージシャンやアーティストの肩書を持つ人もいるようです。

今回はウィリアムズ症候群の芸能人についてまとめました。

ガブリエル・マリオン・リヴァード

ガブリエル・マリオン・リヴァードはカナダ人の女優兼歌手で、ウィリアムズ症候群の代表的な芸能人です。

ウィリアムズ症候群の役を務める

ガブリエル・マリオン・リヴァードは、2013年に『ガブリエル』というカナダの映画の主演を務めます。

そして役柄も、ガブリエル・マリオン・リヴァードと同じウィリアムズ症候群の「ガブリエル」という名の女性を演じました。

 

あらすじは、ウィリアムズ症候群のガブリエルという若い女性が、発達障害のある合唱団に参加して、合唱団のメンバーであるマーティンと恋に落ちるというもの。

障害を抱えている者同士の恋愛の複雑さなど、様々な場面で一般的な恋愛映画とは違うことを感じさせる内容となっています。

 

ガブリエル・マリオン・リヴァードはこの映画で等身大の姿を演じました。

特に、ウィリアムズ症候群の特徴である優しさが滲み出た演技と、ガブリエル・マリオン・リヴァードの笑顔が素晴らしいと高く評価されており、カナダスクリーンアワードの最優秀女優賞を受賞しています。

グロリア・レンホフ

グロリア・レンホフはオペラ歌手で、ウィリアムズ症候群の「音楽を好む」という特徴が大きく当てはまる人物です。

彼女は楽譜を読むことも、簡単な数字の計算も、1人で道を横断することもできません。

しかしイタリア語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語など約30か国語を、ほとんど完璧な発音で歌うことができ、2500曲以上の歌を記憶していると言われています。

楽譜が読めないので、歌に関することは全て記憶が頼りとなっており、絶対音感を持っています。

33歳まで病気に気づいていなかった

彼女の歌の才能が注目されて、1988年にテレビ番組で彼女が取り上げられたことがありました。

その番組をみた視聴者から「なぜグロリアはウィリアムズ症候群だと話さなかったのですか?」という声が寄せられます。

 

当時のグロリア・レンホフは33歳で、このときに初めて、彼女の両親はウィリアムズ症候群という病気を知ることになります。

このように、「存在を知らないだけで、実はウィリアムズ症候群だった」というケースは多いのかもしれません。

新井胡羽(あらいこう)

新井胡羽は障害者専門のタレント事務所、ココダイバーシティ・エンターテイメントに所属しており、モデル活動やミュージカルに出演しています。

また特別支援学校に通う高校生でもあります。

彼女のSNSではプライベートの姿やミュージカルの稽古風景、またウィリアムズ症候群についての投稿もされています。

芸能人としての知名度はまだまだ低く、芸能活動自体も浅い彼女ですが、あるテレビ番組に出演した際に、自身がウィリアムズ症候群であることを明かして注目された人物です。

家、ついて行ってイイですか?に出演

新井胡羽は2021年6月に人気番組、『家、ついて行ってイイですか?』に出演しました。

父親と一緒に狭山ベリーランドに訪れていた際に、番組スタッフに出会って自宅に招くことになり、自身の障害のこと、芸能界で活躍する夢などを語りました。

特に、番組内でのとても純粋で前向きな発言や、家族への愛情の深さが素晴らしいと、SNSでも反響がありました。

 

彼女は番組内で、同じくウィリアムズ症候群の「ガブリエル・マリオン・リヴァードのような女優になる」という目標を語り、今はボイストレーニングや演技レッスンを受けているということでした。

これまでチャリティー公演のミュージカル『ハムレット』に出演したことがあり、2022年にも同じくチャリティー公演の『ロミオとジュリエット』への出演も決まっています。

つるの剛士の子どもは?


ネットでは、ウィリアムズ症候群の関連キーワードで「つるの剛士」が出てくることから、「つるの剛士の子どもがウィリアムズ症候群の患者なのではないか」と噂されているようです。

しかし実際につるの剛士自身が、これまでウィリアムズ症候群について触れたことは一度もありません。

 

こちらの噂は、ウィリアムズ症候群の息子についての記事を中心に投稿している一般人のブログの名前が「つるのブログ」ということから、芸能人のつるの剛士と間違えて認識されてしまったことがきっかけのようです。

また、音楽の才能があることでも知られているつるの剛士と、「音楽を好む」というウィリアムズ症候群の特徴も、誤解を深める一因となっているようです。

つるの剛士が公表した事実はなく、ネットユーザーの勘違いから噂が広まってしまった可能性が非常に高いでしょう。

 

海外も含めて、ウィリアムズ症候群だと言われている芸能人の情報はほとんどありませんでした。

ウィリアムズ症候群自体、今の時点ではかなり知名度の低い病気であり、グロリア・レンホフのように大人になっても病気を自覚していない場合もあるということなので、実際に病気であってもなかなか世間に知られることは少ないのではないでしょうか。

 

ウィリアムズ症候群の人のIQは56程度しかないと言われており、運動神経の発達も遅いため、学生時代は特別支援学級に通う人も多いといいます。

しかし低いIQに反して、ウィリアムズ症候群の患者はコミュニケーション能力が高く、高い語彙力があることも特徴です。

これらの特徴を活かして、多様性が認められつつある現代で、芸能人を目指すウィリアムズ症候群の人がこの先増えてくるかもしれません。

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