2021年現在、日本に朝鮮学校は98校あり、多くの在日朝鮮人が学んでいます。日本の芸能界には在日朝鮮人が多いことは有名ですが、朝鮮学校に通っていた人は少数です。
今回は朝鮮学校を卒業した芸能人を10人紹介します。
ソニン
ソニンは1983年3月10日生まれ、「EE JUMP」というグループで『おっととっと夏だぜ!』というヒット曲を生み出し、ソロ歌手活動を経て、現在は舞台を中心に女優として活動しています。
出身の朝鮮学校
- 神戸朝鮮初中級学校(兵庫県神戸市中央区)
- 神戸朝鮮高級学校(兵庫県神戸市垂水区)
ソニンは在日コリアン三世で、本名はソン・ソニムです。
日本で生まれていますが、国籍は韓国。
母親は日本人、父親が韓国人ハーフのためソニンはクオーターです。
2001年に後藤真希の弟・ユウキとダンスボーカルユニット「EE JUMP」を結成し、芸能界デビューします。
ユウキの失踪事件や、未成年立ち入り禁止のお店に出入りしたことがフライデーにスクープされてしまい2002年に解散しました。
その後は歌手、バラエティタレント、女優とマルチに活動し、2003年ドラマ『高校教師』で女子高生役を公演しザテレビジョン ドラマアカデミー賞 新人俳優賞を受賞し、女優としての才能を開花させます。
2007年にはオーディションで大竹しのぶ主演の『スウィーニー・トッド』への出演を勝ち取り、ミュージカルデビュー。
アメリカのニューヨークで1年半の演劇留学をし、『ミス・サイゴン』のヒロイン・キム役や『ダンス・オブ・ヴァンパイア』のマグダ役などで評価され2015年には第41回菊田一夫演劇賞演劇賞を受賞しました。
現在はグローバルな活動を目指し、本格的に女優業に挑んでいます。
ちすん
ちすんは1982年11月3日生まれ、多くのテレビドラマ、舞台、映画で活躍する実力派女優です。
出身の朝鮮学校
- 大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市菱江二丁目)
ちすんは在日コリアン三世で、本名はキム・ヂスンです。
特技はクラシックバレエと韓国舞踊で、高校の時は韓国舞踊の大会で日本一になったこともある実力の持ち主。
クラシックバレエの公演がきっかけでスカウトされ、劇団「よしもとザ・ブロードキャストショウ」に加入し舞台経験を積みました。
2003年に『超星神グランセイザー』の敵女戦士・インパクター・ルシア役でテレビデビューし、以後多くの作品に出演しています。
2014年のNHK連続テレビ小説『マッサン』では主人公・エリーの支えである重要な役どころを演じ、話題になりました。
朴悠那
朴悠那(パク・ユナ)は劇団四季所属の女優です。
出身の朝鮮学校
- 大阪朝鮮高級学校(大阪府東大阪市菱江二丁目)
朴悠那は在日コリアン四世で韓国国籍を持ちます。
小学3年生から韓国舞踊を習っており、小学校の時に劇団四季の『はだかの王様』を観て劇団四季の魅力の虜になり、中学1年で観た『キャッツ』で劇団四季を志すようになりました。
高校を卒業後、俳優養成所「ダンスオブハーツ」で学び、3年目となる2010年に劇団四季のオーディションに挑戦。
合格率0.05%と言われる超難関を突破し2011年に入所しました。
8月に『マンマ・ミーア!』アリ役で初舞台を踏み、2015年『ライオン・キング』ナラ役などで活躍を続けています。
雅原慶
雅原慶は1985年1月14日生まれ、元劇団四季の団員で現在はミュージカル女優として活動しています。
出身の朝鮮学校
- 尼崎朝鮮初中級学校(兵庫県尼崎市)
- 神戸朝鮮高級学校(兵庫県神戸市垂水区)
雅原慶は在日コリアン三世で、本名はパク・キョンミです。
高校卒業後の2003年4月立命館大学へ進学しましたが、卒業後は就職せず俳優養成所「ダンスオブハーツ」に通いました。
そして2007年劇団四季のオーディションに合格。
2008年4月に入所し、『マンマ・ミーア』で初舞台を踏みました。
その後『アイーダ』東京公演では主役・アイーダ役、『ウィキッド』東京再演、札幌公演でヒロイン・エルファバ役などを演じます。
2016年末に劇団四季を退所しましたが、現在は太田プロダクションに所属し圧倒的な歌唱力と表現力で観客を魅了する舞台女優として活躍中です。
裵ジョンミョン
裵ジョンミョンは1985年1月18日生まれの俳優です。
出身の朝鮮学校
- 広島朝鮮初中高級学校(広島県広島市東区)
日本映画学校俳優科卒業を卒業し、2004年6月『ビー・バップ・ハイスクール』のエキストラでデビューします。
その後『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』のタシスン役や『ふれなばおちん』のシゲ役など話題作やCM、舞台で活動中です。
特に園子温監督作品に多く出演し、『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』『地獄でなぜ悪い』に出演しています。
松嶋あすか
松嶋あすかは1973年2月14日生まれのアナウンサー、レポーターです。
出身の朝鮮学校
- 朝鮮大学校(東京都小平市)
松嶋あすかは在日朝鮮人三世で、以前は孫明日香の名前で活動していました。
女優である松嶋菜々子の実兄と結婚しています。
『ニュースステーション』や『探検ロマン世界遺産』などのテレビ出演や、1992年4月4日から2013年3月30日にFMラジオで放送され人気を博した『サントリー・サタデー・ウェイティング・バー』では常連客役で出演していました。
津田塾大学大学院国際関係学研究科も卒業しており、国際問題に切り込む発信をSNSでしています。
ソンミ
ソンミは1989年1月11日生まれ、ファッションモデルとして活動していました。
出身の朝鮮学校
- 朝鮮大学校(東京都小平市)
ソンミは在日コリアン四世で、本名は朴成美です。
2012年23歳のときに大阪オートメッセイメージガールに選ばれ芸能界デビューしました。
セレブキャラとしてバラエティ番組でセレブエピソードを披露し人気者になりましたが、2018年12月29日放送の『有吉反省会』でセレブキャラは嘘だったと告白し話題になりました。
現在は美肌研究家、美食家研究家としてイベントを開いたり、スキンケアブランドmeethの代表取締役を務めています。
朴一圭
朴一圭は1989年12月22日生まれ、サガン鳥栖でゴールキーパーをしているプロサッカー選手です。
出身の朝鮮学校
- 埼玉朝鮮初中級学校・幼稚部(埼玉県さいたま市大宮区)
- 東京朝鮮中高級学校(東京都北区十条台)
- 朝鮮大学校(東京都小平市)
東京朝鮮中高級学校のサッカー部は全国高等学校サッカー選手権大会に出場したこともある強豪校で、他にも元プロサッカー選手で現在指導者やチームフロントで活躍している金東秀や姜成浩などを輩出しています。
朴一圭は藤枝MYFC、FC琉球、横浜F・マリノスなどでプレーし、2021年にサガン鳥栖へ移籍しました。
パギという愛称でファンから親しまれています。
崔洋一
崔洋一は1949年7月6日生まれの映画監督で、宝塚大学教授であり、日本映画監督協会理事長、民間放送教育協会理事を歴任しています。
出身の朝鮮学校
- 東京朝鮮中高級学校(東京都北区十条台)
崔洋一は在日コリアン二世、韓国名はチェ・ヤンイルです。
東京綜合写真専門学校を中退し、照明助手として映画界に入りました。
小道具や演出部、チーフ助監督を経て、1981年テレビ映画『プロハンター』で監督デビュー。
同年内田裕也主演で撮った『十階のモスキート』はヴェネツィア国際映画祭にも出品され、1984年には毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞しました。
在日外国人を題材にした『月はどっちに出ている』では報知映画賞、ブルーリボン賞、毎日映画コンクールなどを受賞し、第17回日本アカデミー賞最優秀監督賞、最優秀脚本賞にノミネートされます。
『月はどっちに出ている』は崔洋一自身も出演し、それ以降俳優としての活動も多く、1999年には『御法度』に近藤勇役で出演し第53回カンヌ国際映画祭に出席しました。
2005年にはビートたけし主演の映画『血と骨』で第28回日本アカデミー賞最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞するなど多くのヒット作を世に送り出しています。
李相日
李相日は1974年1月6日生まれの映画監督です。
出身の朝鮮学校
- 横浜朝鮮初級学校(神奈川県横浜市神奈川区)
- 神奈川朝鮮中高級学校(神奈川県横浜市神奈川区)
李相日は在日朝鮮人三世で、朝鮮名はイ・サンイルといいます。
私立神奈川大学経済学部卒業後、日本映画学校で学びました。
卒業制作の映画『青〜chong〜』がぴあフィルムフェスティバルでグランプリを含むの4部門を独占し、史上初の快挙となります。
2002年『BORDER LINE』で劇場デビューを果たし、2006年福島県のハワイアンセンターでの実話を映画化した『フラガール』では第30回日本アカデミー賞 最優秀作品賞・監督賞・脚本賞、第31回報知映画賞 作品賞など賞を総なめにしました。
その後制作した映画『悪人』や映画『怒り』も大ヒットし、多くの賞を受賞。
『怒り』はモントリオール世界映画祭や釜山国際映画祭で上映され、国内のみならず海外でも高い評価を得ています。
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